HPFhito34・ホッキョクグマの双子を誕生させた円山動物園飼育員清水道晃氏

 円山動物園には中国からパンダを借りてくる話を持ち込んだことがある。政治的な動物であるパンダの実物が見られなくても、成都市にある「成都大熊猫(ジャイアントパンダ)繁育研究基地」からのライブ映像を円山動物園で見られるようにするのはどうか、という提案も行っている。
 このパンダプロジェクト実現のため、2005年頃、当時前記研究基地には設置されていなかったパンダ監視システムを、札幌のIT企業「ビー・ユー・ジー」社の協力も得て寄贈している。その見返りとして成都から札幌までのライブのパンダ映像伝送する覚書きを、研究基地の余建秋副主任と取交わしている。
 筆者が会長となり新しく立ち上げた「CSパンダの会」の副会長には余主任と、成都市で研究基地との間を取り持ってくれた日本語の堪能な会社経営者楊治敏さんになってもらった。楊さんは筆者の研究室に留学していた莫舸舸君の母親である。
パンダプロジェクトに関連して余主任を札幌まで招待したことがある。当然余主任と同道で円山動物園も見学している。円山動物園側の対応は記憶に残っていない。余主任を旭川の旭山動物園にも連れていっている。結果的には成都からのパンダのライブ映像が札幌に送られてくることはなかった。
 円山動物園はホッキョクグマの繁育研究基地の様相を帯びている。昨年(2012年)12月に母親ララが双子のポロロとマルルを出産し、二頭とも元気に育っている。この時キャンディというメスも出産したけれど、死産となった。このホッキョクグマの出産と飼育に携わっているのが飼育員の清水道晃氏である。
 清水氏は昨年ホッキョクグマ担当になる前は熱帯の動物エランドの担当であった。飼育員は担当する動物が固定しているのかと思うとそうでもなく、結構園内で担当する動物が変わっていく場合もある。清水氏は、今年は前記のキャンディが妊娠しているのかどうか、ホッキョクグマ館の近くのプレハブ内で、寝室内のキャンディのモニタ映像と睨めっこである。その様子は、かつて成都市で日本からの寄贈の監視カメラでパンダのライブ映像を職員が見ていた光景と二重写しになる。
 清水氏のパノラマ写真取材を行った12月下旬の時点で、キャンディが妊娠しているのかどうかは判断できない状況にある。キャンディは繁殖のため豊橋総合動植物公園から借りてきているので、今年の妊娠・出産を清水氏は祈るような気持ちで待っている。
 ホッキョクグマの出産のため、静かな環境を保つ目的で熊館の近くは見学中止である。動物園は、園内で人を集めるホッキョクグマの親子を見せることと、新しい出産の可能性につなげるための見学中止の板ばさみになっている。
 清水氏にホッキョクグマの看板のところに立ってもらいパノラマ写真撮影となる。広い園内に客はまばらであったけれど、天気次第では年末年始には来園者が増えるのだろう。



HPFhito34%E3%83%BB%E6%B8%85%E6%B0%B4%E9%81%93%E6%99%83%E6%B0%8FA.jpg

カテゴリー: 人物編   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です