アイワードは印刷会社で、各種印刷を手がけていて、当然本作りも行っている。本作りといっても多様な作業があり、データの入力から編集・校正、印刷・製本を行って本が出来上がる。印刷・製本に着目すると、大型の印刷機や製本機を揃えて仕事をしてゆくので、装置産業ともいえる。しかし、データ入力やデザインは人手に頼るので、労働集約産業でもある。
いずれにせよ、今や印刷業ではコンピュータ利用が不可欠である。しかし、以前の印刷業は、印刷機を相手に職人の技で仕事をしていた。印刷業のコンピュータ化はパソコンが広く普及してきてからである。そのパソコンの前段階のマイコンと呼ばれた技術が急速に広まり出した頃、会社名を「共同印刷」と名乗っていた同社に、筆者の手作りマイコン装置を持ち込んで社員に講義したことがある。
今や印刷業はデータ入力と処理が仕事の根幹にあり、狭義の意味の印刷は最終工程のものでしかない。豆本「爪句集シリーズ」の印刷を頼んでいることもあって、時々顔を出す同社で木野口功社長にパノラマ写真撮影を申し込んだ。永山記念公園の近くに同社の社屋のビルがあり、ビルの地階にあるデータ入力作業室での写真撮影となる。木野口社長の周囲では、お揃いの制服姿で、全員パソコンを前にして、受け持ちの原稿の入力と手直し作業を行っている。
ここで仕上がった原稿は石狩市にある同社の大きな印刷工場に送られ、印刷物となる。同工場にはドイツのハイデルベルグ社から導入した高速、高品質のカラー印刷機があり、これで印刷される原稿も多い。この高価な印刷機械導入は、競争の激しい印刷業界にあって、高品質印刷に特化して企業の生き残りを謀るための木野口社長の経営戦略の要である。
北海道新聞社刊の「トップの決断 北の経営者たち」(2012年)に北海道を代表する経営者の一人として取り上げられ、優れた経営者としての評価も定まってきている木野口氏である。そして、次に控える課題は後継者へのバトンタッチであろう。技術革新の激しいこの業界にあって、次代を担う経営者を育てるのは、当初業績が芳しくなかった同社に外部から入って、現在の会社までした木野口氏が経験した事とは別の難しさがあるように思える。
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